「すまない。拙者はもう駄目だ・・・・」 大きな乱戦の最中に小さくそう呟いたのは若侍の晋平(しんぺい)。 晋平は仲間の武士たちに後を託し、切っ先を交え合う戦場から逃げるように走り去っていった。 晋平は臆病ものであった。命を失うことに怖気づいてしまったのだ。 しかし・・・・。 晋平が逃げ出したのにはもう一つ大きな理由があった・・・。 とある若侍…


「すまない。拙者はもう駄目だ・・・・」 大きな乱戦の最中に小さくそう呟いたのは若侍の晋平(しんぺい)。 晋平は仲間の武士たちに後を託し、切っ先を交え合う戦場から逃げるように走り去っていった。 晋平は臆病ものであった。命を失うことに怖気づいてしまったのだ。 しかし・・・・。 晋平が逃げ出したのにはもう一つ大きな理由があった・・・。 とある若侍…